紺碧、ある記憶
ペンネーム:原田放
世界に生きている。
ドラマ。出来事の連続に感情が付随し、一つの決断が波紋のように辺りに広まる。選択は網の目のように絡み合い、世界を形成する。変化は観察に依る。
虚構か現実か。あるいは気のせいか。
規定事項のように、列車は進む。雪の日に空を飛ぶ航空機を私は眺める。自然より先に、社会があった試しなどないのに。
私は彼らを直接に変えることができない。叫ぶ声は猥雑なコメディのようだ。
ある価値観の中、進行する。強制と追従が社会の原理となり、指示に従えない連中は、公を生きる命の保証さえない。もう分かっていることだ。
生まれてから話し出すまもなく、絶え間なく調教される。人間は烙印を押される。どう呼ばれるかは問題ではない。
抱擁は束縛だろうか。愛の名の下に道はある。
私はあなたの人間ではない。
ただの生命だから、自分を殺すことはない。常套句のように私は呟く。
客観と主観が交差する一点に、意味を見出だす。
この先に君がいる。
覆い尽くすように、もがいてくれ。
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方も物もさだまらないポエジーをすんなり読ませるのは力量があるからと思います。
Permalink(主催者代筆)
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虚構と現実、自然と社会、強制と追従、抱擁と束縛、客観と主観。いろいろな対の概念の提示で想像の空間が広がっていく感じがとても良かったです。
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