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文学大賞 短編部門13 見てはいけない世界 作者 豊田直輝

引きこもり文学大賞 短編部門13

作者:豊田直輝

階段を降りていた
ウチの階層は9階なので
エレベーターで下るのが普通ではあるが
毎回エレベーターを使う訳でもない
特に理由なくエレベーターを使い
特に理由なく階段で降りる
厳密な区分けをしているのではないので
全て無意識の自動化で身体は動いている
階段を降りているようだ
まるで第三者の見解であるような表現ではあるが
俺自身も今気づいたんだ
その時に空から馬鹿でかい声なのか
降り注ぐように聞こえた
【とまれ!!】
ものすごい響きだ
鼓膜が破れるなんて表現じゃない
【お前は見つかったんだよ】
み 耳が痛い
【お前はとうとう見つかってしまったんだ。階段から3分動くな。神に見つかってしまったぞ。そのままじっとしていろ。3分経ったら急足でポストに入っている鍵を手に入れろ】
空を見ると真っ赤に染まった紅色
なんだこれは?
【いいか、まだ動くんじゃない。俺が指示する。もう少し待っていろ】
俺は何が起きているのか分からず
これは現実なのだろうか?
現在起きている出来事が受け止めきれない
  




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