引きこもり文学大賞 短編部門15
作者:怜來
俺の名前は引自籠称。今日から引きこもりになる高校二年生だ。なんで俺が引きこもりになるのか、そんなの簡単なことだ。この国、世界、この人生に嫌気がさしたからだ。みんなだって口にしないだけでこんな世界嫌だろう。生きているだけで金がかかる。幼稚園、小学校、中学校、高校、大学、そして生きているだけで税金を払わねばならない。思い浮かぶものだけでもたくさんの金がかかっている。親ってものは偉大だ。こんな俺のために毎日朝から晩まで働いてお金を貯めて、育ててくれて。感謝してもしきれないだろう。親孝行だってしてあげたい。けれど引きこもりの俺には何もできない。ごめん。学校になんか行きたくないんだ。足が、動かないんだ。みんなの視線が怖いんだよ。なんでかって、そんなの、自信満々に好きな子に告白したのに盛大にみんなの前で振られたからだよ!こんな世界、絶対認めない!