引きこもり文学大賞 短編部門16
作者:モグマー
引きこもりをしていたとはなしたこともあったが、ただのインドア派だと思われた。
あんなに社会問題になったのにこの先輩は知らないんだと疲れてしまった。
きれいなもんじゃない。
喚いて泣き叫んで親にもつかみかかる様子だって報道されたのに。
興味がないものはしらないのだろう。一生関係がない人はないから。
そうか、普通の人生を送った人間ってこんなものなのだ。普通で、その中で割と優秀だった人間。色々差はあってもそっち側の人間がこの世の多数だと気づいた。
わかってもらおうとしてもその壁は高い。そもそも聞いてもらえない。話の流れがそこにたどり着くことはない。そんな世界があることなど思いもしていないから話題に上がることもない。
違うんだ。そうじゃなくて。反論することもできない。
一言二言なぜか私にアドバイスをしてきて――――それで終わり。