引きこもり文学大賞 短編部門07
作者:側溝
「今日こそ決着をつけようじゃないか」
「のぞむところだ」
ある宇宙人たちが芸術性を競って勝負をするようだ。
「ルールはいつも通り誰が一番美しい作品を作れるかだ」
「ああ、制限時間もいつも通り一時間だぞ」
その後、三人の宇宙人はそれぞれ散らばり作品を作り始めた。
数時間後
「完成したようだな、ではそれぞれ見せ合うとするか」
「まずは私のからお見せしよう、これはただ石が不規則に並んでいるように見えるが、風景に綺麗に溶け込み、さらには夕陽が差し込むとにより美しさが増す自然と調和した作品だ、私はこれにストーンヘンジと名付けたよ」
「なんだ、ただ適当に石を積んだだけじゃないか、そんなの幼稚園児の遊びと変わらん、そんな作品はほっといて私の作品がこれだ、とても綺麗な三角形の建物、一寸の狂いもない素晴らしく精巧な作品だ、私はこれにピラミッドと名付けたよ」
「全く、二人ともただ何かを積めばいいと言う考えはいい加減捨てたほうがいいぞ、私の作品は壁画だ、見ろこの美しい絵の模様を、私はこれにナスカの地上絵と名付けたよ」
結局三人は全員自分の作った作品に自信がありすぎるため、話し合いなど意味もなく、今回の勝ちも決まらなかった。
しかし、こうやって競うからこそこの三人はこのような美しい作品を作れるのかもしれない。