文学大賞 短編部門07
作者:窓際
洗濯物を干したくない。
干さなくてはいけない。
だけど、面倒臭い。
仕方なく、仕方なく、久しぶりに風呂に入ったはいいものの、脱いだ服を洗濯しなくちゃいけなかった。
頑張って脱いだ服を洗濯機にかけたはいいものの、干すのが嫌だった。
明日やろうと思った。
日付が変わり、服を干そうと思ったのだが、やる気が出なかったので、次の日に干そうと思った。
次の日も干さなかった。
そうして一週間が経ち、すっかり洗濯物のことを忘れていたが、洗濯機の前を通り過ぎた時、ふと思い出してしまった。
洗濯物が腐っている!
もう、洗濯機の蓋を開けたくなかった。
それから一ヶ月。服は全く着替えていないし、着替える気もなかった。何故なら、服を着替えると洗濯物のことを思い出してしまうからだ。と言うより、仕事を増やしたくなかった。
ずっと、洗濯物のことが気になってはいるけど、怖くて近付きたくなかった。
でも、思いついた。またそのまま洗濯してしまえばいいんだ。
腐った洗濯物が入った洗濯機の、洗濯スタートボタンを押した。
その日はすっきりとした気分で寝た。
次の日、蓋を開けてみると、とても臭った。嫌だったので、また蓋を閉じ、洗濯スタートボタンを押した。
次の日も、同じことをした。
そうして一週間。もう臭いもどうでもよくなってきて、そのまま干すことにした。干せば変わるかもしれない、と思ったからである。
その時、気づいた。
一週間も同じことを継続できたことに、驚いた。