Skip links

文学大賞 短編部門26 生きることはコンビニに似ている 作者 湊うさみん

引きこもり文学大賞 短編部門26

作者:湊うさみん

悩んだり苦しんだり泣いたり、時には自殺したり。
そういうのが一番人間らしいように感じる。
楽しいことや面白いことをしていると「生きている」と感じるけれど、苦しんでいる時の方が「人間らしい」と感じる。
私はたとえ人間らしくないと言われようとも楽しく生きていきたい。それが「人情」
というやつだろう。

ということは「人間らしく楽しく生きる」というのは矛盾してるのだろうか? と思う。「人間らしく生きる」と「楽しく生きる」を天秤にかけたらやはり楽しく生きる方に傾く。
人間らしさなんていらないから面白おかしく生きていきたい。

今の私は泣いてもがいてひきこもって、何のために生きているのかわからない毎日を送っている。けれども何のために生きているのかわからないのは社会人として働いている人たちも同じだろうと推測する。

生きるってことはコンビニに行くことに似ているんだろうと思う。何のために行くのかも決めずにふらっと立ち寄る。何の目的もなくていい。コンビニの中でめぼしい物を見つけたらそれが目的になる。生きる理由になる。

私はコンビニで何も見つけられていない。この人のために生きるとか、趣味のために生きるとか、なんでもいいから楽しく生きるとか。
何らかの目的を見つけたくてコンビニをふらふらさまよっている。

別にほしくもなかった肉まんと唐揚げを買ってコンビニから出る。
公園のベンチに座って買ったものを食べる。
今がひきこもりだろうが社会人だろうが、人間らしくあろうがなかろうが、おいしいものを食べているとそこそこ気分がいい。

結局のところ。
人間らしくあってもなくても、「幸せ」ならそれでいいんじゃないかと考える。

 




Ready forへ参加

応募作品へのコメント投稿、ポストカード、作品集書籍などご希望の方は“Ready for”で『リターン』をご購入ください!

ログインして続きを読む!

既に閲覧の権利をお持ちの方は以下からID、パスワードでログインの上、御覧ください。




Join the Discussion

Return to top of page