六畳間の宇宙飛行士<短編部門>
ペンネーム:田中太郎
六畳間は宇宙である。天井の木目を見つめながら私は宇宙遊泳を始める。意識は混濁していき、やがて混沌の海を泳ぐ。視界に広がるのはやはり永遠の闇。その空間の中で孤独を感じる。星々の輝きすら見ることは叶わない。
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ペンネーム:田中太郎
六畳間は宇宙である。天井の木目を見つめながら私は宇宙遊泳を始める。意識は混濁していき、やがて混沌の海を泳ぐ。視界に広がるのはやはり永遠の闇。その空間の中で孤独を感じる。星々の輝きすら見ることは叶わない。
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「私が産み出したこの宇宙では私以外には何も存在しない。」
自分以外は本当の意味では存在しないのではないか?
引きこもっていた時、この種の疑問を考えていました。今も考えています。
「何か」が存在するという事には、その「何か」を認知する存在が必要で、
その認知する主体は常に「私」でしかないから、他者は本当の意味では存在しないのではないかと感じています。
何故なら、他者は物理的に確かに存在するように感じますが、でも、その他者の存在を認知するのは常に「私」という存在であるから、「私」の脳中(か精神)で作られたイメージ上の他者を他者だとしか捉えられないと思います。要するに、自分の頭のフィルターを通してのみ、自分以外の存在である他者(外部の物理世界も)を認知する事が出来るように思います。
なので、自分が消えたら宇宙も消えるのでは?と思います。
何故なら自分という独特の存在が脳内で認知して作り上げたこの「宇宙」というイメージも自分独自のものだからです。その事を考えるととても孤独で辛いですが、しかし同時にある種安心したような気持ちになります。
この作品ではその哲学的な問題を白昼夢(か瞑想か夢)という形で見事に表現されてると感じました。
Permalink「私が産み出したこの宇宙では私以外には何も存在しない。」と分かっているのに「応答せよ、応答せよ」と誰かを呼ぶ。人は誰を呼ぶのだろう?
Permalink読んでいると無重量の中にいるような不思議な感覚になりました。