「時を司る古本屋」
ペンネーム:海咲 吉右衛門
ガラガラガラ…。店内に入ると、少し埃っぽいような、おばあちゃんの家みたいな匂いが私の元へ駆け寄って来た。
「いらっしゃい」
奥で穏やかな表情で私を迎え入れてくれたのはこの古本屋の店主らしきおじいさんだった。
Opinions
Join the Discussion
コメントを投稿するにはログインしてください。
ペンネーム:海咲 吉右衛門
ガラガラガラ…。店内に入ると、少し埃っぽいような、おばあちゃんの家みたいな匂いが私の元へ駆け寄って来た。
「いらっしゃい」
奥で穏やかな表情で私を迎え入れてくれたのはこの古本屋の店主らしきおじいさんだった。
コメントを投稿するにはログインしてください。
大きな物語の序章のように感じました。一歩、二歩、三歩と歩み始めました。「次はどちらに歩を進めようか?」などと思いを巡らせてみました。そうしていくうちに、いつの間にか自分らしい人生を歩んでいくようになるのかもしれません。主人公は女性ですか?「お嬢さん」という記載に後に「僕」という一人称が出てきたので、聞いてみました。あるいは、「僕」とは、壊れた時計のこと?色々と想像が膨らむ文学作品でした。
Permalink丁寧に描かれた作品。全体を通じて描かれる温かい雰囲気、読後感がよかった。
Permalink途中の女性の独白は、個人的には無い方が好みではあります。
また、最後の一節については、「古時計」を一人称視点に設定した描写だと思うのですが(違っていたら失礼)、個人的にはそこも無くてもよいかもしれない。
まとめるなら、俯瞰的・三人称的な視点からの物語的な描写が心地よく、また巧みであり、それだけに女性や古時計の一人称視点からの描写は、いっそ、なくても良かったかもしれない(そのほうが童話やメルヘンのような超時間的な雰囲気が、かえって醸し出されたかもしれない)と感じました。
次回作も期待しております。
「時を司る古本屋」というタイトルがすでに詩的で綺麗な言葉ですが、作品を読んで意味がわかるとより美しいですね。時計が幻を見せる、というイメージは良いですね。前向きな話で、温かい気持ちになります。
Permalinkその中に、苦しみや逡巡が描かれていたのも良いと思いました。