思い出の墓石
ペンネーム:子規まきし
酷く暑い、どこを歩いても蝉の声が聞こえる夏だった。
数日間雨が降っていないので、道端の花は萎れて、こうべを垂れていた。
ガソリンのタンクをブチ撒けて、人の夢を燃やすような暑さだった。
側溝に大きな虫が仰向け
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ペンネーム:子規まきし
酷く暑い、どこを歩いても蝉の声が聞こえる夏だった。
数日間雨が降っていないので、道端の花は萎れて、こうべを垂れていた。
ガソリンのタンクをブチ撒けて、人の夢を燃やすような暑さだった。
側溝に大きな虫が仰向け
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メッセージボトルに就いてのご考察が、キモでしょうか?ボトルを流す人は、特定の相手に届くことを想定しているのでしょうか?そうばかりとは言えない様な気がします。例え何万分の一かの確率で有っても、未だ知らない誰かのもとに届くと思いたいですね。思いを込めて、届かぬ相手にいつか届く夢を持ちましょう。例え幽冥界を異にしてはいても・・・。羽搏く心は自由ですもの。
Permalink「仰向けの虫」や「墓地→墓石」といった言葉を反芻する描写、そして、主人公がふと思考の脇道に逸れる描写は、まさに夏の日差しの下できらきら光る浜辺の石ころのように感じられ、表現が上手いと思いました。多くの夢ある人間の命を奪ったあの痛ましい事件に、青年らの心のフィルターを介して思い致すことができました。文学作品にとりあげることも、「事件を忘れない」ための重要な手段であるなぁ、と感じた次第です。
Permalink「ガソリンのタンクをブチ撒けて、人の夢を燃やすような暑さだった。」一度読んで、もう一度読み直すとこの描写がこの作品全体を象徴しているように思えました。実在の事件に対する思い、差別への思い、創作という営みへの姿勢。どれも一つだけで深く掘り下げられるテーマを、うまく配置して絡めることで重層的に表現されていると思いました。行間で語り、余韻を味わえる作品でした。
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